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倉貫義人 × 沢渡あまね トーク&ワークセッション「新しい組織・働き方のあり方」参加レポート

3/27に開催された、倉貫義人 × 沢渡あまね トーク&ワークセッション「新しい組織・働き方のあり方」に参加してきました。私のメモをまとめたものになります。うまく整理されていないかもしれませんがご了承ください。

管理とは?

日本語の管理は英語の3つの意味を持っている

  • Management(やりくり)
  • Control(統制)
  • Administration(事務執行)

良い管理、悪い管理とは?

良い管理は、本来価値に振るコミットする仕掛けを作るため、本来価値へのコミットの障害を取り除くもの。 悪い管理とは、管理職が管理職であるためにやるもの。無駄な決裁など。

  • 大企業になると、決まったことに経理、総務などが「法人をかませてください」などといった本質を見ていない管理が入る。子会社、支社だと、親会社、本社から本質を見ていない管理が入る。それに気づいた人は、本社飛ばし、親会社飛ばしをしている。
  • 役割、部署が何のためにあるのか、本質を見ていない
  • 社員を管理したいなら、それはコンピュータが得意なので任せればよい。わざわざ紙に印刷して人間が確認といった手間は無駄。

管理は必要悪である。しょうがないから管理をしている。しかし、管理はお金を生まない。管理がなくても生産性が上がるなら、管理に使っていた管理職の人件費が要らず、それが利益になる。管理は減らすべき。

管理の中にManagementがあるモデルはいまの時代に合っているのか

Managementは、「なんとかする」という意味。管理ではない。しかし、Control, Administrationは管理に近い。たくさん手を動かした人が成果を出せる仕事なら、管理すると成果が多く出る。しかし、今の仕事は毎日違う仕事をするし、誰もが同じ仕事をしていない。つまり、再現性が少ない仕事が増えてきたため、管理ではMagagementできない。Managementのほうが管理よりも上位概念なのでは?今の時代にはManagementの手段に管理が合わなくなっている。管理の仕方が昔と変わっていないのが問題。産業革命時代の製造業であれば、管理をすればするほど成果が出た。現在の日本では管理が製造業型であるため、このような状況になっているのではないか。

評価について

同じ仕事をしていないのにできる?実際は高い評価をつけるための作文ごっこや、ノルマが上がらないように評価をすり合わせたりする。まさにごっこ。出世をする人を決めないといけないので評価に差をつけろと指示が出る。しかし、みんな優秀だし、低くなった人はモチベが下がる。評価はもともとはランク付けするためではなく、気持ちよく仕事するためのものだったのでは?評価するよりも、その人のキャリアを一生懸命考えてあげることが必要。

性善説の管理になぜできる?

ソニックガーデンの採用基準は厳しい。入社前にかなり審査している。応募があってから入社まで1年から1年半かかる。その間は友達になる期間と考えている。友達になれるほど信頼しているから、性善説ができる。他にも、会社のビジョンと共鳴していれば、信頼できて性善説ができる。

性善説のいいところ

オペレーションコストが下がる。従来では信頼関係が構築できたのに、ガチガチなコミュニケーション(性悪説)をしているので管理コストがかかっている。 コストをどこにかけるのかの問題で、性善説は採用にコストをかけて、管理にコストをかけていない。 なぜ従来のようになるのかというと、入社ハードルが低いから、管理コストがかかる。管理はその人がいる間ずっとしなければならないので継続的なコスト。 採用コストは採用するときの一過性のものだからこのほうが効率いい。実質、友達であることが重要。

職場で本音を言えていますか?

一言で言えば心理的安全性があるかどうか。評価をなくしたのでやりたいことと業務のすり合わせの面談をしているが、そこでは何でも言っている。

本音が言えない背景6つ

  • 勇気がない、怖くて言えない
  • わざわざ言わない(時間かかる)
  • 言語化できない(もやもやのままになっている)
  • 気づかない、気づけない
  • この人たちに言っても仕方がない(無力感)
  • 得をしない

言えなくても、景色を合わせることができると簡単に解決することがある。それぞれの立場で意識はずれているので、現場に来てもらうなど景色合わせをすると良い。立場の話だと、もし自分が上司なら、自分から本音を言うと相手も本音を言うようになる。

組織の問題解決

今の自分の組織の問題点をみつける。働き方改革は言葉が重過ぎる。小さな課題でもいい。KPTのふりかえりをする。問題に対して考える、振り返りから始める。 自分たちで自分たちのことを認識しないと始まらない。 仕事のやり方を変えていくことを考える時間を作る。 進捗が遅れるのは何か悪い構造があるのではないかと考える。

木こりの斧

木こりが一生懸命木を切っているが、かなり遅い。旅人が見ると、斧がさびている。「斧がさびているから、研いだらどうか」「そんな時間があるわけないだろ」 これがどこでも起こっている。時間を手続きに置き換えてもよい。人間は意識では変わらないので、あらかじめ予定に入れておく。予定に振り返りの時間をあらかじめ決めておく。自分の気持ちに行動を頼らず、予定を入れておくと行動できる。

肯定ファースト

人間は肯定されることを望んでいる。肯定することから始める。相手に対してまず肯定する。褒めるのが難しくても、存在を認めること。何を言われても「そうか」、という。生産性が最も高いのは心理的安全性が高い状態である。

論じてばかりで実行されない

  • そもそも、問題を言語化できていない可能性
  • 自分なら、実行する。他人なら、ほっとくと良い。どういうことかというと、他人に期待しすぎている。自分を変えられるのは自分だけ、これはすべての人に当てはまるので他人を変えることはかなり難しい。

問題解決の仕方

相手のキーワードを見つける。リモートワークを認めれば優秀な人が採れるとか。部署と役割で定義をした瞬間動かなくなる。総務がこうなるからというと戦えなくなる。 人の名前で考えてその人のところに行けばいい。人対人は話せる。それで動かないから仕方ない。会社を変えるために提案の形をとってはいけない。 上司は何か言っておかないととなる。相談の形で行く。こうするべき、という提案をするとと反発される。これで困ってるんですけど、どうしたらいいですかね…と相談するとよい。提案より相談。別に上の立場が下に相談してもよい。そのほうがやる気が出てうまく回る。

最後に

自分の力で他人をコントロールすることはできない。が、変わるきっかけを作ることはできる。目の前でできる人がいると変われる可能性がある。つまり、自分の周りでできることをやっていく。周りとコラボレーションするか、自分でやるかは自分で決める。自分のことを何とかしていくしかない。自分が成長実感を持つ。ロールモデルを見つける。自分がつぶれない、染まらないようにする。絶対にアウトプットする。

感想

まず、何よりもお二人のお話が面白く、聞いていてとても面白かったしためになりました。性善説の管理の話はすごく腑に落ちました。当たり前ではありますが、能力があるから、信頼できる人であるからそのような管理ができるということですね。採用にコストをかけて管理にコストをかけないというのはとても合理的だと思いました。自分にできることをやっていく、自分を何とかするというのは今の自分のテーマなので、地道に自分がコントロールできる範囲で努力していこうと思いました。